エンジンもATも全バラしない限り100%のオイル交換はできない。

エンジンにおいてはフィルター、ポンプ、パス、パンに残量があるし、ATは規定量を一気にランニングチェンジする方法だと小容量のポンプ1つで複数のパスに圧送している訳だからトルコン内の古いATFが抜けきることはない。

RE5R05AにおけるATF交換率はこちらの記事で試算してある。ランニングチェンジでは最悪55%、3分割法でも69%しか交換できない。RE-4R01Aにおける試算では、分割法で3リットルづつ6回交換してようやく新油率が94%に達するので、RE5R05Aでも9割前後交換しようと思ったらペール缶1本は要るだろう。

さて、VQ25DEのオイル交換量だが標準4.4リットル、フィルター交換時は4.7リットルということになっている。以下の試算においては、ドレンから抜いた後の古いオイルのエンジン内残量をフィルター0.3、パン0.5、その他0.2の計1リットルとして総量5.4リットルと仮定した。

1. 4.4リットル交換した場合
5.4-4.4=1.0が古オイル
4.4/5.4=0.81 81%が新オイル

2. フィルター交換して4.7リットル交換した場合
5.4-(4.4+0.3)=0.7が古オイル
4.7/5.4=0.87 87%が新オイル

3. レベルゲージの穴からノズルを挿し込んでパンの0.5リットルも抜いて4.9リットル足した場合
5.4-(4.4+0.5)=0.5が古オイル
(4.4+0.5)/5.4=0.91 91%が新オイル

4. フィルター交換、パン抜きして5.2リットル足した場合
5.4-(4.4+0.3+0.5)=0.2が古オイル
(4.4+0.3+0.5)/5.4=0.96 96%が新オイル

5. 4リットル抜いて足してを年2回やった場合
1回目
5.4から4抜いて4足したので
古オイル:1.4
新オイル:4
4/5.4=0.74 で新油率74%
1-0.74=0.26 で26%の古いオイルが残る

2回目
4抜いた残1.4の内訳は
古オイル:1.4x0.26≒0.4
新オイル:1.4-0.4=1.0

そこに4足すので
(1+4)/5.4≒0.93 で新油率93%だが、半年前の新オイル1.0は半年分の劣化が進むので残った新オイルの割合を0.5リットルとして
(0.5+4)/5.4=0.83 で新油率83%

よって4.4リットル交換した場合より若干いい数字になる。

敢えて5項の試算をしたのは、半端な量を残したくないので4リットル缶の交換年2回ではダメなのか?という質問を受けたから。こうして計算してみると安いオイルを4リットルづつ年2回交換するという方法はそう悪い方法ではなさそうだし、仮に年1回4リットルしか交換しなかったとして現在のオイル性能を考慮すると4.4リットル交換の81%に対して74%の新油率はそう悪い値ではないように思われる。受け入れられない人もいるだろうが。